役を演じることが好き、面白いから続けられる

もともと大学時代、デートの待ち合わせ時間にスカウトされて日活に入ったんですが、スカウトマンは、目が悪かったんでしょうね(笑)。何を間違えたか、「俳優にならないか」と声をかけてもらって。それがなかったらね、今こうしておしゃべりしていませんから。それは本当に不思議な縁だと思います。 

1962年に映画『望郷の海』でスクリーンデビューして以降、いろいろな役を演じてきました。ジャンルにはとくにこだわっていませんが、ホラーだけは怖くてイヤですね(笑)。だけど、役を演じること、そもそも人を演じることが好きなんですよ。好きじゃなきゃ、仕事できませんよね、面白いから続けられるわけで。

でも、たくさんの役をやってしまうと、いくら面白いものでも飽きますよね。ジェットコースターもね、毎日乗っていたら、飽きるでしょう? たまに乗るからいいですけども。仕事もそうで、あまり仕事を頻繁にやらないようにしていて。ぼちぼちとやるのが、いい。そうすると、熱っぽく、好奇心いっぱいで仕事ができるんです。

ジェットコースターも毎日乗ったら飽きる。それと同じで仕事もぼちぼちやる方が好奇心いっぱいでできる(写真撮影:本社・奥西義和)

今回、初めてやったゲートボールも、興味深かったですね。ゲートボールのスパルタ指導をする嶋田七海役の本田望結さんに、だいぶん締め上げられて(笑)。基本的には試合でちゃんとゲートに通さないとOKが出ませんでした。特訓しようとも思ったんですが、桃次郎は、学生時代にラグビーをやっていたけれど、ゲートボールは急きょやることになったスポーツ。だから、うますぎてもよくないので、特訓はしていません。

いざとなったら「CGで玉はどこにでもいくから、心配しないで」と監督に言われまして(笑)、「そうなんですか?」と言っていたんです。ところが、試合が始まると、監督が「入れてくれ」って言うんですよね(笑)。僕は試合で10回ぐらいNGを出しました、なかなか入るもんじゃないです。