息子以上に頼りになったのが、お嫁さんたちです。長男の妻の知子さんと、次男の妻の真裕美さん。彼女たちは細かいところまで見事に整理してくれました。

まず、お小遣い制にしましょう、と提案してくれたのは知子さん。銀行口座を整理して、クレジットカードは使ってしまうからと解約。生命保険も2つに絞って無駄を省いてくれました。

日曜日には、夕飯をお呼ばれして、1週間分の生活費を渡されます。冠婚葬祭など臨時出費があるときは、その都度申告。「もともとお義母さんのお金ですから」と言ってくれますが、管理してもらえるから無駄遣いもなくなり、安心です。

真裕美さんは月2回、東京から来て、振込などの経理業務をささっと処理。お昼ご飯も作ってくれます。何をするにも手早く、時間の使い方が上手。お嫁さんから学ぶことは多いですね。

2人が家計をスリムに整えてくれたおかげで、この先、破綻することなくやっていける目処がたちました。最近はコロナ禍が落ち着き、仕事の依頼も入るようになったし年金もあります。「お義母さん、心配しなくていいですよ」の言葉が何よりうれしかったですね。不安の元がなくなったことで、うつ病も改善していきました。

私ね、お嫁さんたちと、こんなに心を開いて話せるとは思わなかったの。病院に行くときも、2人が交互に付き添ってくれて、帰りに一緒にランチを食べるのも楽しい時間。とても感謝していて、折に触れ言葉で伝えています。

息子たちも優しくしてくれますよ(笑)。武は月1回、車で焼き鳥デートへ連れ出してくれて。新もどういう風の吹きまわしか、うちに来て、すき焼きを作ってくれました。

うつ病に陥った6ヵ月間はつらかったけれど、弱くてダメな自分をさらけ出したことで、息子やお嫁さんたちに助けられ、距離がぐっと縮まった気がします。思わぬことでみんなを巻き込んでしまい反省していますが、これがなかったら私は変われなかったでしょう。

幸いだったのは、いちばん身近な存在が手をさしのべてくれたこと。家族のありがたみに気づくことができ、本当によかったと思います。

<後編へつづく