「病気モデル」と「健康モデル」
これらの結果から生じる疑問は、日本で「下げろ下げろ」と言われているほど血圧を下げなくても、結局、死亡率には変わりがないのではないか、ということだ。
やはり血圧が高すぎるのは問題があるが、許容範囲が狭すぎるように感じるのだ。
日本の医療は「病気モデル」であって、マイナスの部分をなんとか適正値まで引き上げようとする。
性格でたとえるなら、“短所”や“欠点”にばかり目を向けて、それをどうにか直そうと必死になっているようなものだ。
それで、カロリーを抑えろ、肉は食べすぎるな、酒はやめろ、タバコもやめろという「がまん」ばかりを強いることになる。
しかし、私は「健康モデル」こそが重要なのではないかと思う。万能な人間などいないし、年をとれば多かれ少なかれ、体のどこかに不具合は生じてくるものだ。