短所より長所に目を向けて
私はよく言うのだが、“短所”をどうにかしようと頑張るより、“長所”をいかに伸ばすかを考えたほうが、効率がよく、しかも人生ハッピーだ。
受験勉強でも得意科目で差をつけるような子どものほうが、苦手科目のない子どもより名門校に合格しやすいし、プロスポーツの世界でも、短所のない選手より、多少の短所があっても長所の光っている選手のほうが人気が出る。
仕事も人間関係も性格も、同じことが言える。人の魅力というのは、そこに存在するのだ。それなのに、健康にだけはそれが当てはまらないということはない。
実際、検査データがすべて正常のやせ形のよぼよぼした人より、いくつか検査データに異常があるが、若々しくいきいきしているお年寄りのほうが、ずっと長生きしている印象がある(これは疫学的根拠はないが、私の35年にわたる高齢者臨床の体験から自信を持って言える)。
生命を脅かすような短所は是正するにしても、そうでないなら、“長所”に目を向けて、よりよい人生を考えるほうが健全ではないだろうか。
※本稿は、『50歳の分岐点――差がつく「思秋期」の過ごし方』(大和書房)の一部を再編集したものです。
『50歳の分岐点――差がつく「思秋期」の過ごし方』(著:和田秀樹/大和書房)
50歳は人生の分岐点だ。体のなかでホルモンバランスが大変化を起こし、心身ともに大きな影響を受ける。この時期の過ごし方で、その先の人生はまったく違うものになるだろう。
■ホルモンの「枯れ」、どうすれば防げるか?
■「コラーゲン商品」には騙されるな
■男性は玉ねぎを、女性は大豆を食べよう
■「スポーツが体にいい」は迷信
■「主食を抜いておかずばかり」は正しいか
■あなたにもある「見えない」食物アレルギー
■「4時におやつ」の理由
■「食べすぎ」よりも「食べない」という害
今なら間に合う。50代からの人生の後半戦を「がまん」しないで、思うままに生きる術!
◇◇中国でも大ブームの「思秋期」が全部まるごとわかる本◇◇