並木さんいわく「ロレックスは正規で買うよりも、正規でない店で買う方が高い」そうで――(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
世界中で愛され続け、腕時計の代名詞的な存在の「ロレックス」が、コロナ禍以降、店頭から消えた。そして「ロレックスマラソン」という新たな言葉が誕生した。これは「ロレックス」を求めて探し回る人々の行動のことである。「ロレックス」が消えた背景とは…。国内外の時計界を取材し、高級腕時計の書き手として第一線で活躍している並木浩一さんいわく「ロレックスは正規で買うよりも、正規でない店で買う方が高い」そうで――。

中古でよくても、事情は変わらない

新品でなくてもいいからロレックスが欲しいと思っても、話はそう簡単ではない。なぜならロレックスは、新品を売っていない店の方が、価格が高いということすらあるからだ。

時計の世界を多少なりとも知っている人なら常識かもしれないが、これにはひとつ説明が必要であろう。

ロレックスには正規販売店があり、定価で新品が売られている。これは至極あたり前のことだ。

ところが同じ新品が正規販売店でない店でプレミア付きの価格で販売されている。これもロレックス人気が生み出した、ひとつの不思議なねじれ現象である。

ロレックスは正規で買うよりも、正規でない店で買う方が高い。

なぜだろうか? それはロレックスの一部モデルの深刻な品薄が生み出した現象だ。

「デイトナ」や「サブマリーナー」らの希少モデルでの現象ではあるけれども、正規店ではいつになっても手に入らないと考えた人がいるとする。

そのモデルがもし正規店ではないところで売られていたらどうするか? プレミア付きでも、それを買いたいと思う人間の心理に目をつけたビジネスが成立した。