「型落ちモデル」が安くならない理由

そもそも新品の市場ですらその状況が続いているのだから、ユーズド(およそ1980年代以降)の市場でも同じようなことがいえる。

人気モデルに関していえば、現行モデルの中古だけでなく、ひとつ前のモデルでも価格は下がらない。

ほかの消費財であれば「型落ちモデル」になるのだが、ロレックスの場合は必ずしも安くはならないのだ。

場合によっては、プレミアが付いて売られているということも十分ありうるのが、ロレックスの事情である。

新品が手に入らないという状況が、新品に近いユーズドの相場を押し上げる。

さらにモデルチェンジ前には、「もう手に入らなくなる」という心理で、最終モデルへの注目が盛り上がるのである。

※本稿は、『ロレックスが買えない。』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。


ロレックスが買えない。』(著:並木浩一/CCCメディアハウス)

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