並行輸入という「からくり」

さて、それらのモデルは正規店販売店にはないのに、なぜその店にはあるのだろうか? ひとつは並行輸入といわれるからくりである。

一部のロレックスのモデルに関しては、日本では手に入らないけれども、海外で入手できるルートが存在したといわれる。それらの販売店から購入され、正規の輸入ではないのだけれども、持ち込まれたものがプレミア付きで販売された。

『ロレックスが買えない。』(著:並木浩一/CCCメディアハウス)

こうしたことは、ほかの腕時計にもいえるのだが、その場合はたいてい為替差益の問題で、海外で購入した方が安い場合に成立する。それらの腕時計は、日本の正規販売店より安く販売される。

しかしながら、ロレックスの場合は逆なのである。

ロレックスの場合は、とくにプレミアの付いた価格の相場というものができているので、もし海外で、日本の定価と同じような価格で、場合によっては旅費を上乗せしても、購入して転売すれば差益が出る。これがひとつの構造である。