瀬名さんの「はかりごと」は夢想とは言えない?

以上を読んでみて、いかがでしょう? 

ドラマの中で瀬名さんが想い描いたこと。それは網野先生のいう「無縁」の空間を、権力者が積極的に擁護し、拡大していこう、と呼びかけたものと考えられないでしょうか。

築山殿(写真=西来院所蔵/CC-PD-Mark/Wikimedia Commons

戦国大名は180度姿勢を転換して、自由で平和な日本を創出する。戦いはもうたくさんだ、みんなで生きる喜びを謳歌しよう。

網野先生の学説が正しいならば、瀬名さんの「はかりごと」はけっして夢想ではなく、かつて中世人が獲得していた成果に根ざした、実現可能な選択肢だったと捉えられそうです。