「自分が嫌い」という人ほど自分が大好きなわけ

私たちは無意識のうちに自分のことをとても大切にしています。

「自分のことが嫌いで仕方がない」
「自殺してしまいたいほど自分が嫌い」
こういった考えを持っていらっしゃる方も例外ではありません。

じつは自殺したくなるほどの衝動には、強烈な自我=自分が大好きという精神が働いています。それを示すために自殺したくなるといってもいいほどです。

「大好きで最も大切にされるべき自分」を認めてもらえないことの裏返しともいえるでしょう。

『自分という壁  自分の心に振り回されない29の方法』(著:大愚元勝/アスコム)

例えば、大好きな彼氏に捨てられて自殺を図った女の子がいたとします。これは彼氏自身に原因があるのではなく、最も大切にされるべき「私」が捨てられたという事実が許せないんですね。

つまり、自分自身のことが大好きだからこそ、「自分が蔑(ないがし)ろにされた」という現実を受け入れられない。

「私の思いどおりにならないこと」に反発する強烈な自我によって、自分を苦しめているのです。

誰もが「つねに自分は最高の待遇で扱われるべき」だと妄想しています。

「誰よりも愛されるべき」であり、「受け入れられるべき」であり、「自分の主張や思いは認めてもらえるべき」だと思っています。

この妄想が膨らめば膨らむほど、内容が具体的であればあるほど、そのエネルギーも大きくなっていきますので、それに比例して「大切にされなかった」ことへの反動も大きくなってしまうのです。