コクーンの任期を終えて、次はまつもと市民芸術館館長兼芸術監督に就任する。(03年)

――かれこれ20年務めて、今年で任期を終えましたけどね。松本市は人口24万人くらいかな。そこに2000人近く入るくらいの劇場を建てる。約1%の人のためにみんなの税金の一部を使うのはどうなのかな、と思ったけど、演劇って目の前のお客のためだけにやってるんじゃない。

観て帰って感じたことを人にしゃべる。友だちや近所の人たちにしゃべることは、これから生まれてくる人たちや、もっと言えば100年前に亡くなった人のためでもある。そう思ったら、演劇とは何だろうと強く考えるきっかけにもなりましたね。

今ではすっかり松本の街と劇場が一体になっていると思う。現在、久しぶりに本当にフリーになったから、苦労も多いと思うんだけど、こういうふうな形でも芝居ってできるぞ、ということをちゃんとやってみせたい。ちょっと意地もあるしね。

 

今後のさらなるご活躍に期待します。ところで、その昔の演劇仲間から「サム」と呼ばれていた理由は?

――ハンサムの「サム」でしょう。ウソッ。(笑)

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