（3ページ目）ヴァイオリニスト・樫本大進「ベルリン・フィル八重奏、気心知れた仲間たちと奏でるシューベルトの名曲」クラシック音楽を身近なものに。兵庫県赤穂・姫路市で行う「ル・ポン国際音楽祭」は16年目を迎えて｜教養

すべてボランティアで作る明るい雰囲気

赤穂・姫路で15年続く「ル・ボン国際音楽祭」

「ル・ポン国際音楽祭」（2007年～　音楽監督・樫本大進）はもう15年くらいやっている兵庫県の赤穂市と姫路市の音楽祭です。

お客さんの目から見たら、聴いたこともないような曲がずらっとあるけれど、素晴らしい演奏で新しい曲の魅力もわかる。どのコンサートも、1000円くらいで聴けるんですよ。

アーティストから見ると、普通にコンサートホールだけじゃなく、オープンエアの外のステージも使い、市民のアイデンティティにつながっている赤穂の城跡や姫路城の本丸で演奏する面白さがあります。

赤穂市は僕の母の出身地なので、そういう縁もあるんですけれど、クラシック音楽は、特に地方の人たちからは遠い存在じゃないですか。マナーも厳しそうだし、なんだか怖いみたいな。でもそういうものじゃないし、気楽に聴けるんだよ、と。演奏会の存在をもっと近くに持ってこられれば。それが15年前から持ち続けている考えです。

2022年10月9日にアクリエひめじで行われた、『ル・ポン国際音楽祭2022 赤穂・姫路』での演奏（C）ル・ポン国際音楽祭2022 赤穂・姫路

すべての写真を見る

この音楽祭は、ボランティアで作り上げているんです。裏方の仕事は、ほぼすべてボランティア。赤穂や姫路だけでなく、外からもいっぱい来ていただいて、本当にありがたいです。それもクラシック音楽ファンだけじゃないんですよ。フランス語を使いたいからという理由から、アーティストの通訳係として来てくれる人もいたり、面白いイベントだから手伝うよといって来てくれるおじいちゃんがいたり。本当に温かい。

ボランティアは、ただ単に「仕事」という感覚じゃなくて、「一緒に盛り上げている」という感覚がすごく大きい。実際、参加するトップクラスのアーティストも、みんなノーギャラです。僕は彼らを美味しい食事で誘っているんですけど、食べ物は本当においしいから。

おススメですか？　赤穂は牡蠣がおいしいです。あとはジャコ。姫路はアナゴですね。もちろん赤穂は塩。塩饅頭、塩飴もいいですよ。この秋にはぜひ赤穂と姫路に来てください。この音楽祭も、ずっと続けていけたらと思っています。

『選ばれし8人頂点のハーモニーベルリン・フィル八重奏団』

日時：2023年11月27日(月) 19:00
開場 / 終演予定：18:20 / 21:00
会場：東京オペラシティコンサートホール　Tokyo Opera City Concert Hall

各地公演：
11月28日(火)　18時開演　ふくしん夢の音楽堂（福島県）
11月30日(木)　19時開演　フェニーチェ堺（大阪府）
12月1日（金）18時30分開演　三重県総合文化センター
12月2日(土)　17時開演　ミューザ川崎シンフォニーホール

ジャパンアーツぴあ　Tel：0570-00-1212
公式HP：https://www.japanarts.co.jp/concert/p2044/

【出演】
ベルリン・フィル八重奏団　Philharmonic Octet Berlin
樫本大進　Daishin Kashimoto (第1ヴァイオリン, 1st Violin)
ロマーノ・トマシーニ　Romano Tommasini (第2ヴァイオリン, 2nd Violin)
アミハイ・グロス　Amihai Grosz (ヴィオラ, Viola)
クリストフ・イゲルブリンク　Christoph Igelbrink (チェロ, Cello)
エスコ・ライネ　Esko Laine (コントラバス, Contrabass)
ヴェンツェル・フックス　Wenzel Fuchs (クラリネット, Clarinet)
シュテファン・ドール　Stefan Dohr (ホルン, Horn)
シュテファン・シュヴァイゲルト　Stefan Schweigert (ファゴット, Fagott)