「読んで書く」ために

―『名場面でわかる 刺さる小説の技術』では読みのプロならではの創作術が紹介されていますが、「読んで書く力」を鍛えるためにはどうしたらいいのでしょう。

「この小説良いな」と思った時に、「どこが良いんだろう、この描写が良いな……」というように、自分の好みを深掘りして理解することが重要です。

逆に、「好きじゃないな」と思った時も、「みんなは良いって言ってるのに、なんで自分には刺さらなかったんだろう」と考える。

例えば二次創作を読む時にも「この関係性は苦手」「このシチュエーションが好き」とか、無意識に考えて選びますよね。

自分のなかの「好き」「嫌い」に共通点をみつけて、抽象化することが大切です。

例えば私なら、この本に書いたように、「恋愛小説は、会話が多いものが好き」とか。

何が好きか分かれば、自分で書く時にも実践できますよね。

『名場面でわかる 刺さる小説の技術』(著:三宅香帆/中央公論新社)