うやむやなまま育つとどうなるのか

実際、すべての子どもに、自制しながらほかの人とうまく交流できる能力が備わっているわけではない。それが答えの1つだ。遺伝的および神経的特徴によって、建設的な行動のかわりに、衝動的な反応をしてしまう子どももいる。

また、精神的に未熟な親が、うやむやなままの「役割としての自己」やヒーリング・ファンタジーを描いているために、複数の子どもを無意識のうちに利用することがよくある。これがもう1つの答えだ。

たとえば、1人の子どもを、非の打ちどころがない理想の子どもとして溺愛し、ほかの子どもには、親をわずらわせてばかりいる無能な子というレッテルを張る、などだ。

 

※本稿は、『親といるとなぜ苦しいのか』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。


親といるとなぜか苦しい――「親という呪い」から自由になる方法』(著:リンジー・C・ギブソン、監修:岡田尊司、翻訳:岩田佳代子/東洋経済新報社)

\ 全世界で大共感の声50万部突破 /

「親のために努力し続けて、しんどい――そんな自分に気づき、涙が止まりません」
「共感できることがありすぎて、すべてのページにマーカーを引きたい」
「未熟な親のもとで育ち、自分を大切にする方法を知らなかった私のために書かれた本」
「これほど人生が変わる本はなかった!」

見た目は大人だが、精神年齢は子どものままの親が子どもを苦しめる。
愛したいのに愛せない親を持つ人が「心の重荷」を降ろす方法