他人に自分の価値観を押しつけない

「かくあるべし思考」から解放されるには、「人には人の価値観がある」ことを受け入れることです。それを理解すれば、他人の言動に振り回されずに済むようになります。

先ほどの夫婦の例でいえば、妻は自分が掃除をしたいときにして、やりたくないのならばやらなければよいでしょう。

一方、夫は、部屋が汚れていて嫌ならば、妻に文句をいうのではなく、自ら掃除をすればよいだけの話です。

「自分がやりたいように生きる。そのかわり、自分の価値観を相手に押しつけない」と思えたとき、自分のなかの「かくあるべし思考」の多くが消えていくはずです。

では、相手が「かくあるべし思考」を押しつけてきたときには、どうすればよいでしょうか。

それは、相手の発言を「スルーする(気にしない)」ことです。相手の話を無視するわけではなく、「まぁ、こんな人だからしかたがない」と心の中で受け流し、口では「そうかもしれないね」といっておけば、相手と険悪になるのを防げます。

人間には、いろんな価値観があって当然です。他人にまで自分の価値観を押しつける必要はありません。

感情的にならずに柔軟に対応できれば、気ままに生きている他者にも寛容になれるでしょう。