1日でも長く舞台に

今でも、やすしさんの話を舞台でするんです。亡くなってもう27年経ってますから、お子さんなんかは当然知りません。なので、きちんと説明をせなアカン。

「横山やすしさんという人とおっちゃんはコンビを組んでました。その人はいつもオールバックで、メガネをかけていてね、そして、法律を守らないおじさんやったんよ」

これがまたようウケますねん(笑)。そして、ウケた瞬間、劇場の一番後ろの席でやすしさんも笑ってる感じがするんです。

もう77歳。今考えているのは1日でも長く舞台に立っていたいということです。そのためにボイストレーニングにも通っています。

心底、舞台が好きやということもあります。でも、僕が1日でも長く舞台に立って、そこでやすしさんの話をする。それが僕にできる供養やとも思ってるんです。誘ってもらった恩返しになってるかどうかは分かりませんけど、できるところまで力いっぱいやり続けたいと思っています。

1日でも長く舞台に立ち、やすしさんの話をする。それが僕にできる供養。できるところまでやり続けたい。

 

■西川きよし(にしかわ・きよし)
1946年7月2日生まれ。高知県高知市生まれ、大阪府大阪市育ち。本名・西川潔(きよし)。63年、喜劇役者の石井均に弟子入りし、翌年、吉本新喜劇に入団。66年、横山やすしと漫才コンビ「横山やすし・西川きよし」を結成する。上方漫才大賞などを受賞し、マンザイブームをけん引する存在となる。86年、参院選に出馬し当選。3期18年に渡り、国政の場でも精力的に活動する。初の自伝『小さなことからコツコツと』を先月上梓した。YouTubeチャンネル「西川きよしのコツコツ大冒険!」も展開中。