筆者の関容子さん(右)と

もしも宝くじが当たったら.......

与一さんが相手役をつとめた大女優は枚挙にいとまがない。初代八重子、美空ひばり、山本富士子、森光子、佐久間良子……。

――僕ね、上京してすぐの東宝時代、森光子さんの『放浪記』初演に、林芙美子の最初の恋人、香取恭助役で8ヵ月間のロングランに出てるんです。19やそこらで、家庭を持ってるようなそんな役、とてもできませんよ。菊田(一夫)先生には毎回怒られて、ダメばっかり。

でも森さんは優しくて、別稽古にも付き合ってくれた。で、『放浪記』千回記念公演の時、森さんがこの役を再び僕に、って指名してくれて。演出の(三木)のり平さんに、「与一ちゃん、今だったら菊田さんも褒めるよ」って言われて、腰が抜けるほど嬉しかったですね。

初代の八重子さんからは、「新派どう?」って言われて、4年ほど行きました。『近松物語』『遊女夕霧』『婦系図』とかいろいろ出ています。山本富士子さんとも『婦系図』とか、明治座の一月興行は必ずで、8年間。このコンビが一番長いですね。次がひばりさんとの5年間、八重子さんとは4年間。

佐久間良子さんとは飛び飛びで『唐人お吉』とか『真砂屋お峰』とか。ずいぶん美女のお相手をつとめたものです。