土俵の上では何が起こるか分からない

初日のNHKテレビ正面解説の玉ノ井親方(元大関・栃東)が、「土俵ってやってみないと分からない」と話していたが、土俵の上では何が起こるか分からない。

玉ノ井親方と実況の佐藤洋之アナウンサーの落ち着いたやり取りに聞き入っていると、向正面解説の舞の海さんが、突然早口で割り込むのが絶妙だった。今場所も正面解説の北の富士さんはお休みだが、この割り込み方は、向正面解説として北の富士さんに鍛えられた成果といえる。

また、テレビ画面にチラリと映った観客が掲げるタオルか布かに書かれた行司「木村容堂」の文字。力士だけでなく行司も応援する観客の姿勢に感動した。

前頭9枚目・伯桜鵬の姿がないのが残念だ。先場所は入門4場所目で幕内の優勝争いに加わり、まさに「令和の怪物」そのものだった。伯桜鵬は、前から痛めていた肩の手術で休場し、復帰の予定は来年の初場所とのこと。復帰の頃には髪は伸びている。上を目指して、今度は大銀杏で幕内優勝を争って欲しい。  

初土俵から103場所、史上3番目に遅く三役に上がった新小結・錦木と再び小結になった翔猿にも暴れてもらいたい。  

ところで、「このバアサン、今頃気づいたのか」と馬鹿にされるのを承知で書くが、無目的にテレビのリモコンをポチポチしていたら、以前の映画のある人物に出くわし、映画館の大画面で見なくては気が済まなくなった。

人類の中で一番自信に満ち溢れたような話し方、世界で起きることを全て見通したような不敵な笑顔、大関・魁皇(現・浅香山親方)のような上手投げが連続500回はできそうな腕の筋肉をもつ映画『キングダム』の王騎将軍だ。「大沢たかお様、どうされたのですか!」とテレビの画面に叫んだ。ネットで検索したら、筋トレとか食事とかで肉体改造をしたとか。