「人生100年時代」と言われる現代において、60代は人生を折り返したばかり。にもかかわらず、60歳を過ぎると、人生に鬱々とした感情を抱く人が多いようです。そのようななか「60代は人生を一番アクティブに楽しめる年代」と語るのは、東京大学医学部を卒業し、現在は精神科医として活躍している和田秀樹先生。和田先生は「質の悪いコンテンツに、ご自分の脳をさらし過ぎないでください」と呼びかけていて――。
「年齢を重ねるほどに感受性が落ちる」は誤解
多くの方が誤解しているのが、「年齢を重ねるほどに感受性が落ちる」という風説です。
たしかに、高齢者になるとちょっとしたことでは驚かなくなるし、若い頃のように「箸が転がるだけでもおかしい」という体験はしなくなります。
でも、これは、感受性が下がった結果ではありません。
長い年月を生きて、人生経験が豊富になるからこそ、つまらないことでは楽しめなくなっているだけです。