2021年、孤独・孤立に関する初の全国実態調査が政府によって行われました。それによると、ほぼ3人に1人が何らかの形で「孤独感がある」と回答したそうです。一方で「さみしさは人類が生き延びるための本能であり、心の弱さではありません」と語るのは、脳科学者の中野信子さん。中野さんいわく「これまでの人生に疑問を抱いて落ち込んでしまったり、仕事が手につかなくなってしまったりする状態をミドルエイジクライシスと呼ぶ」そうで――。
さみしさの落とし穴
30代や40代は、職場の仕事にもすっかり慣れ、仕事の面白みもわかってきて、勢いが出てくる時期です。仕事では、それなりのポジションを与えられるようになり、また家庭を持ち、子どもを授かる人もいるでしょう。
仕事や育児で責任を負いながら、充実した日々を送るには事欠かない出来事の連続だと思います。
忙し過ぎて、さみしいなどとはいっていられない状況も多いはずです。けれども、この「過ぎる」状況のなかに、様々なさみしさの落とし穴があります。
あれもこれも中途半端。
疲れてしまった。
自分の時間がない。
この仕事はなんのためにしているのだろう。