中医学的 小雪の旬のもの

・旬の食材1 鶏肉

温性の鶏肉は寒さで縮こまった身体を温め、胃腸を元気にし、この時期に不足しがちなエネルギーを補給してくれます。ちなみに、鶏のレバーは肝と腎を養い、血(けつ)(注)を補うので、貧血、夜盲症などの目の不調、そしてメンタル面での不安にも良い食材なんです。

とくに、この時期なら鶏鍋がおすすめ<『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』より>

とくに、この時期なら鶏鍋がおすすめ。ネギ、舞茸、そして身体を潤し、疲労回復やストレスにも効果的な豆腐も入れて、身体の芯から温まりましょう!

(注)中医学において「血」は、身体に栄養と潤いを運び、メンタルの安定にも作用する液体です。

・旬の食材2 ネギ 

冬が旬のネギは温性で冷えを散らすので、寒気や悪寒、冷え性などに良く、胃腸を元気にして消化吸収力を高めてくれます。ネギは本当に活用方法が多く、白い部分は「葱白(そうはく)」といって、生薬として使われるほど。胃腸を元気にすることから、冷えからくる腹痛や下痢にも効果的です。

ゾクゾクするような寒気を感じたら、軽く焦げるまでシンプルに焼くだけの「ネギ焼き」がおすすめ。とくに下仁田ネギは、焼くだけでトロトロになりますよ。

・旬の食材3 舞茸

舞茸も質の良い血を補ってくれるので、この時期、積極的に摂りたい食材。舞茸には「補五臓(ほごぞう)」といって、五臓すべてを補う働きがあります。

さらに、エネルギー補給の「補気(ほき)」、身体を養う「養身体(ようしんたい)」という働きもあり、糖尿病などであちこちの内臓が弱っている人・疲れている人・痩せてしまった人など、とにかく元気になりたい人には、うってつけの疲労回復薬となります。

西洋医学的には、お肌にも良いとされているようです。ちなみに、ほかの「補五臓」の食材としては、卵、キャベツ、カブなどがあります。

※本稿は、『二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


二十四節気の暦使い暮らし - かんぽう歳時記』(著:櫻井大典・土居香桜里/ワニブックス)

大人気漢方家・櫻井大典先生が、24の季節と五臓(肝・心・脾・肺・腎)に合わせた旬の食材と、毎日の暮らしの養生を教えてくれます。

薬に頼らない、昔ながらの“健康と暮らし”の歳時記。
季節の移ろいや風物詩を美しいオールカラーの絵でも味わえる愛蔵版の1冊です。