盛田ファンドの卒業生として道を切り開いた錦織圭

圭が、盛田ファンドの卒業生代表として、ATP(Association of Tennis Professionals=男子プロテニス協会)ツアーで定着し、しかもグランドスラムで活躍しました。

ファンドの当初の目標は、一つ達成できたと言えます。やはりトップ選手を育てるのがファンドの目標ですから、そういう意味で圭は本当によくやってくれました。

『人の力を活かすリーダーシップ: ソニー躍進を支えた激動の47年間 錦織圭を育てた充実のリタイア後』(著:盛田正明/ワン・パブリッシング)

2001年か2002年に、圭がファンドの選考会に来た時のことを覚えています。

圭を含めて3人の子どもをフロリダに送った時です。ボール遊びの好きな子でした。サッカー好きで、休憩時間にテニスボールでリフティングしていました。ボールを扱うのが大好きだから、ボールに対する感覚がすごく良かった。

私の横にはハラミロコーチがいて、圭を見ながら、「あの子のスウィングスピードはいいな」って。ハラミロコーチによれば、一番大事なのは、ボールがテニスラケットに触れる瞬間、つまりインパクトする時にスウィングスピードが速いかどうかということでした。

盛田ファンドを始めた2000年代初め頃は、日本男子テニス選手が世界のトップ10に行くのが、なかなかイメージできない時代でした。

その中で、圭が11歳の時に、盛田ファンドと出合って、サポートできたことも良いタイミングの一つだったのかもしれないですね。