大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマの放映をきっかけとして、平安時代にあらためて注目が集まっています。そこで今回「彰子サロンの女房たち」について、『謎の平安前期』の著者で日本史学者の榎村寛之さんに解説をしてもらいました。
彰子付きの女房の話
『光る君へ』では紫式部の同僚たちとして、彰子付きの女房が多く登場しています。そして『紫式部日記』にも、三十人近くいたとされる女房の話が数多くでてきます。
なお、その中で確実に上臈女房、つまり式部の上司だったと見られる人たちがいます。
そのことがなぜわかるか。ヒントは「呼び名(職場ネーム)」です。
まず「大納言の君」。ドラマでは真下玲奈さんが演じていらっしゃいますが、呼び名だけで、大納言の家族か親戚で、大臣級のコネを持つ“いいとこの子”だとわかります。