60年以上愛される『小さな恋のものがたり』や、明るくにぎやかなファミリー漫画『ハーイあっこです』など、今も多くのファンを魅了する漫画家・みつはしちかこさん。83歳になり、家族のことを思い出しながら、ひとり暮らしを楽しんでいます。今回は、みつはしさんの新著『こんにちは! ひとり暮らし』から、心あたたまるエッセイの一部をお届けします。
『ハーイあっこです』
わたしが40代になるころ、編集の山崎園子さんをはじめ、押しかけアシスタントさんや家事を手伝ってくれる人など、毎日にぎやかに若い女性たちが出入りしていました。
その上、仕事が大変だろうと子守りにきてくれた義母(姑)が、いつしか家族の一員となり、そのうち一家をとりしきる家長になっていました。
明治生まれのこの義母は、超真面目でしたが、それゆえ超面白かったのです。
そして、わたしがずっとマンガを描いていられるように、ずいぶん気をつかってくれていました。