(イラスト:藤田ヒロコ)
記憶力の衰えや認知症が心配、という人に朗報です。何歳になってもワクワクしたり趣味に没頭したりすることは、脳の機能低下を抑えます。自身も数多の趣味を持つ脳のスペシャリストに話を聞きました(構成=山田真理)

今すぐ見直したい6つの習慣

私は、「生涯を通じ、いかに脳の健康を保つか」を研究テーマにしています。その一環として、これまでに約16万枚におよぶ脳のMRI画像の研究や診断を行ってきました。

人間の脳は、誰でも加齢によって徐々に萎縮していきます。それに伴い、「意味理解」「処理速度」「記憶」「知識」「流暢性」といった脳の認知力(高次認知機能)も低下してしまうのです。脳の萎縮は20代後半から少しずつ始まりますが、萎縮が速い人と、遅い人に分かれていきます。その差に大きく影響するのが日々の生活習慣です。

たとえば過度の飲酒や喫煙は、脳の萎縮を促進。また、糖尿病や脂質異常症のような動脈硬化に関わる病気は血管の老化を進め、脳の血流が低下することで神経細胞の減少を招くのです。

ほかに過度のストレス、睡眠不足、変化や刺激の少ない生活も脳のさまざまな部分の萎縮に繋がることがわかっています。

そうした萎縮を少しでも遅らせ、脳の健康を維持していくためにおすすめの6つの習慣をお伝えしましょう。