「パンティーテックス」「男なんてシャボン玉」など唯一無二のギャグと独創的な動きで部人気の、新喜劇を支える看板女優・島田珠代さん。そんな芸歴36年になる島田さんが、幼少期から仕事、恋愛、自分らしさ、女として生きることなどを赤裸々に綴った初エッセイ『悲しみは笑い飛ばせ!島田珠代の幸福論』。今回はその中から、お笑いの道へと歩むきっかけとなった、幼少期のエピソードを紹介します。
楽しくておせっかいな父
私は、根っからのお父さんっ子で、父の面白いところが大好きでした。父は大学生の頃、NHKの裏方としてバイトをしていたらしく、芸人さんを間近で見ていたからか、日常的にギャグを連発する人でした。
明るくて、面白くて、頼もしい父。私が舞台で白目を剥くのも、父の影響です。
そんな父の快活な部分が悪い方向に出てしまったときのことは、今でも鮮明に覚えています。きっかけは、私の初恋でした。
小林くんというすごくカッコいい男の子が同じ幼稚園に通っていて、ただただ見ているだけで私は胸がいっぱい。まわりの女の子も小林くんのことを大好きだったし、いわゆるみんなの王子様みたいなポジションだったと思います。
話すことも一緒に遊ぶこともできなかったけど、私はそれで十分でした。