『養生学』イラスト:小林マキ
イラスト:小林マキ

加齢により心身が衰えた状態を「フレイル」といいます。いくつになっても元気でいきいきと過ごすには、フレイルを少しでも進行させないことが大切。まずは、食事の改善から始めてみませんか?(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

要介護状態になる原因「フレイル」

日本人の「平均寿命」と「健康寿命」の差は、男性で8・73歳、女性で12・06歳。この数字は、人生終盤のおよそ10年は要介護生活になる可能性が高いことを示しています。要介護の状態になる大きな原因の1つが「フレイル」です。

「歩くスピードが落ちる、握力が低下する、滑舌が悪くなる、体重が減少するなどは、フレイルの典型的な症状といえます。肉体的な衰えだけでなく、疲れやすくなる、何をするのも面倒だと感じる、といった気力の低下をともなうのもフレイルの特徴。その状態が進むと、外出や人と会うことを避けるようになり、認知症が悪化してしまうケースも」と話すのは、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生。

多くの場合、60代からその兆候が出はじめ、70代、80代と高齢になるほど進行していきます。予防には、「運動で筋力をつける」「低栄養にならない」「外出や人との交流をする」ことが大切です。