金融庁が公表した「NISA口座の利用状況調査」によると、2024年6月末時点のNISA口座数は2427万6789口座で、2024年3月末から約105万口座増加しました。そのようななか、記者や金融ジャーナリストとして活動する、カナダ出身のニコラ・ベルベさんは「投資にリスクはつきもの。だが、投資しないのはもっとリスクだ」と語っています。そこで今回は、ニコラさんのベストセラー『年1時間で億になる投資の正解』から、一部を抜粋してご紹介します。
ポートフォリオにおける株式の役割
バランスの良いポートフォリオ(資産の構成)には少なくとも2つの構成要素がある。株式と債券である。
株式はある会社の持ち分を表す。つまり、ある会社の株式を買った投資家は、その会社の一部を所有することになる。会社の利益の一部はその投資家のものだ。
株価は会社の財政状況を反映するものであり、投資家は未来に関心があるので、株式の価格(株価)には会社が将来にわたって生み出す利益が織り込まれている。
株はその日に買ってその日のうちに売ることも可能だ。こうした行為をデイトレードという。デイトレードで金儲けする方法を説く書籍、講座、セミナーはたくさんある。インターネット上にはデイトレードに特化したエコシステムが存在するほどだ。あなたの近所や親戚にも、デイトレでひと財産つくるんだと息巻いている人がいるのではないか。
残念ながらデイトレードに関する研究では、カジノでルーレットに賭けるよりリスクが高いという結論が出ている(1)。僕としては、投資家は何があってもデイトレードにだけは近づいてはいけないと思っている。
デイトレードほど短期間ではなくても、株を買ってほんの数カ月後に売却する人は多い。