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姿勢が悪いと老けて見えるだけでなく、肩や首、内臓の負担も大きくなります。背筋がピンと伸びた姿を目指して、ストレッチを日課にしましょう(構成◎村瀬素子 イラスト◎きじまももこ)

緩やかなS字を取り戻す『ねたままストレッチ』から続く

反復した動きが骨や関節を健康にする

姿勢が悪くなるのは、加齢だけが要因ではありません。体の使い方のクセ、運動習慣などが今の姿勢を作っています。

姿勢の改善には、「良い姿勢」だけでなく「ラクな姿勢」も欠かせません。良い姿勢は、身長を測るときのように背筋を伸ばして少しあごを引いた状態で、座ったときも同様です。ただし、良い姿勢は筋肉を使って支えるため、筋力がつく反面、筋肉に疲労がたまってしまいます。そのため、背中の筋肉がこわばって硬くなり、可動域が低下して腰などに痛みが生じることも。

ラクな姿勢は体の力を抜いてダランとした状態。ねこ背、椅子の背にもたれる、頬づえをつく、といった姿勢です。ラクな姿勢は筋肉を働かさない分、骨と骨を繋ぐ靭帯に負担がかかるため、靭帯が緩み、関節にズレが生じます。つまり、良い姿勢もラクな姿勢も、同じ姿勢を続けているのは良くないということです。

これらを踏まえ、加齢による背骨の変化を食い止め、姿勢を改善する方法をお伝えしていきます。ポイントは、「体を動かす」「関節の可動域を広げる」「筋肉をつける」の3つです。

椎間板の水分量の減少に歯止めをかけるには、体を動かして、椎間板に圧迫と弛緩の刺激を与えること。その動きによって水が出入りし、栄養を補給しているからです。これは関節の軟骨も同様。「曲げる・反らす」「立つ・座る」という反復した動きが、椎間板や軟骨の健康維持には不可欠なのです。

まずは、姿勢のクセを直し、腰椎などの可動域を広げる「ねたままストレッチ」を行い、筋肉にアプローチする「バンザイ体操(次ページ)」「キャット&キャメル」にも挑戦してみてください。

注意点は、痛みが出るまでやらないこと。週3日を目安に、お風呂上がりや寝る前など、体が温まり柔軟性が高まっているときに行うのが効果的です。

まずは1ヵ月、続けてみてください。姿勢が良くなった、腰痛が治ったなど、何かしらの変化を実感できるはずです。