幼少期に育まれる親子の絆(写真提供:Photo AC)
「自分のことが嫌い」「自己肯定感が乏しい」「周囲にとても気をつかう」それは子どもの時に育まれる愛着がうまく形成されなかったからかもしれません。愛着の問題があると、逆境やストレスに弱くなってしまいます。では、大人になってからでも愛着の形成はできるのでしょうか?精神科医の村上伸治さんが「自己肯定感を育てて、何があってもグラつかない自分になる方法」を教えてくれる『大人の愛着障害:「安心感」と「自己肯定感」を育む方法』から一部を抜粋して紹介します。

「愛着障害」とは

愛着とは子どもが親に対して、親が子に対してもつ相互の情愛的なやりとりでつくられる絆です。

人は、親との愛着関係のなかで自己肯定感や基本的安心感を育み、人生を自ら切りひらく力を身につけます。

ところが親子関係に問題があり愛着がうまく形成されていないと、その後の人生にさまざまな影響を及ぼします。

愛着は人という建物の土台になります。愛着が弱いと、基礎工事の弱い建物のように脆弱で、心が安定しません。

うつや依存症など精神疾患をくり返す人のなかには、愛着に問題を抱えている人が少なくありません。

「愛着障害」とは正確には小児に限られた病名です。大人の場合は、愛着障害という病名はないので、私は広く「愛着の問題」と呼んでいます。