何かうまくいかないことが起こったとき、「私がこんな性格だから…」と悩んでいませんか。「うまくいかない原因は、その人の性格に起因しないことも多く、性格について理解すれば不要に悩まなくなります」そう語るのはパーソナリティ心理学、発達心理学を専門とする心理学者・小塩真司さんです。今回は小塩さんの著書『人生が生きやすくなる「性格」の話 ─自分を知って幸福になる方法』より一部を抜粋し、「生きやすくなるための性格との付き合い方」をご紹介します。
「よい性格」「悪い性格」ってあるの?
「よい性格」「悪い性格」というものが、研究のなかで明確に規定されているわけではありません。性格のよしあしは社会や文化のなかでなんとなくコンセンサスが定まっていくものであり、明るい性格のほうが望ましい社会であれば、その性格は「よい性格」ととらえられるものだと考えるとよいでしょう。
例えば、アメリカ社会においては対人関係では明るく外向的な性格のほうがよいとされているので、人と会って黙っていると気まずい雰囲気になりネガティブな評価をされる傾向があります。ホームパーティに行って人と話さないでいると、何を考えているかわからないと思われたり、相手からすると自分のことを嫌いなのではないかと受け取られたりする可能性もあります。
アメリカでは昔から「シャイネス」(内気で恥ずかしがり)についての研究がされています。自己主張や社交性が望まれるアメリカ社会のなかで、シャイであることは克服すべき特徴だとされる傾向がありました。つまりそれぐらいアメリカ社会ではシャイであることが問題視されるのです。
しかし、日本では内気で恥ずかしがりであることはそれほどネガティブな評価にはなりません。それどころか、寡黙な性格は「沈黙は金」といわれていたことさえありました。
これらの例からも「絶対的によい性格」「絶対的に悪い性格」というものがあるというよりも、社会や時代によって変わるものだと考えるほうがよいといえるのです。