同じものばかり食べていたり、面倒だからと、トーストに果物だけ、ご飯に漬物だけなどとメニューが偏っていたりしませんか? 20代の骨密度をキープしているという料理研究家・今泉久美さんに、骨づくりに不可欠な栄養と、それらを手軽に摂るためのコツを聞きました(構成:野本由起)
乳がん治療を機に骨を育てる食事へ
私は2020年秋、57歳の時にステージIの乳がんと診断されました。がん細胞が女性ホルモンによって増殖するタイプだったため、薬でその働きを抑える「ホルモン療法」を行うことに。
再発を抑えるのに必要な薬ですが、副作用として骨粗しょう症のリスクが高まってしまいます。そこで、日々の食事をいっそう工夫して骨密度アップを目指すことにしたのです。
私は料理研究家兼栄養士として、健康に役立つレシピを提案してきました。その知識と経験を生かし、骨を育てるために必要な栄養素や、効果的な食べ合わせを意識したところ、1年半後の骨密度検査で、20代並みであるという結果が出たのです。
63歳の今もその数字をキープできているのは、一人分でも短時間で楽しく作れて、おいしい料理であること、そしてシンプルな食材や調理法で、効率よく栄養が摂れる食事を続けているからだと思います。
そもそも骨は、たんぱく質であるコラーゲン線維のまわりにカルシウムなどのミネラルが付着してできているもの。カルシウムは重要な栄養素ですが、吸収率が低いうえ、余分に摂取しても排出されてしまうため、1日650mgを目安に毎日摂り続ける必要があります。
ただ、それだけでは不十分。ほかにも骨の材料となるたんぱく質やビタミン、ミネラル分が必須です。
カルシウムの吸収率を高めるビタミンD、骨を丈夫にするたんぱく質の一種であるオステオカルシンを作るのに必要なビタミンK、コラーゲンの合成を助けるビタミンCに加え、マグネシウムも摂るようにしましょう。これらが揃ってはじめて、強い骨が作られるのです。