(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
思い込みや確認不足などによって起こる「凡ミス」。誰にでも起こり得る可能性があるものですが、歴史を辿ってみると、たった一つの小さな「凡ミス」で世界を大きく変えてしまった人たちがいます。そこで今回は、クイズ作家・近藤仁美さんの著書『世界を変えた「凡ミス」図鑑:昔の人たち、やらかしすぎ!』から一部を抜粋し、笑えないけど笑ってしまう、歴史的「凡ミス」をご紹介します。

強盗犯、逃げたつもりがトラの檻にダイブ

南アフリカ共和国の強盗犯

人間、焦ると視野が狭まる。普段なら絶対しないことでも、余裕のないときにはついやってしまうものである。

南アフリカ共和国の都市・ブルームフォンテーン。「花咲く泉」を意味するこの町には、同国の首都機能の一翼を担う司法府がある。そのお膝元で、とある日曜日、事件が起こった。

舞台となったのは、ブルームフォンテーン動物園だ。あるカップルが園を楽しんでいたところ、突然二人組の男にナイフを突きつけられ、財布と携帯電話を奪われた。

強盗にあった女性が叫んだので、犯人たちはすぐに逃走しようとした。しかし、体調がよくなかったのか、一人が走れなくなり、置いていかれてしまった。

(このままでは捕まる!)

きっとそう思ったのだろう。彼は近くにフェンスを見つけ、長距離を走ることができなくても逃げ切れる方法をひらめいた。

(フェンスを越えよう!)

すぐに実行し、えいっと降り立った。

ここで思い出してほしい。事件が起きたのは動物園だ。

動物園のフェンスって、なんのためにあるんだっけ。

泥棒の目の前に現われたのは、ベンガルトラ。

そう、このフェンスはトラの檻だったのだ。トラは退屈そうにしていたが、自分の縄張りに入ってきた不審者を見逃さなかった。

結局、フェンスを越えた犯人は噛み殺され、別に空腹でもなかったトラはその遺体を放置した。