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阿川佐和子さんが『婦人公論』で好評連載中のエッセイ「見上げれば三日月」。ゴルフコンペの景品として「京都ホテル宿泊券二名様分」が当たり、できるだけコンパクトな計画を立てたい阿川さんは――。
※本記事は『婦人公論』2026年6月号に掲載されたものです
※本記事は『婦人公論』2026年6月号に掲載されたものです
数年ぶりに京都へ行った。ゴルフコンペの景品として「京都ホテル宿泊券二名様分」が当たったからである。だから泊まるホテルは確保してあった。しかし、京都へ行って何をするか。昨秋、イタリアへ旅して思い知った。老夫婦があちこち歩き回ると疲れるだけ。できるだけコンパクトな計画を立てよう。
出発する前に、到着した日の夜の食事場所を決めておこうと思った。せっかく京都へ行くのだから美味しいものを食べたい。今どきはネットで何でも検索できる。さっそくネットを覗いてみると、あるある、ありすぎる。迷うばかりだ。
秘書アヤヤは京都が好きで、暇さえあれば一人でも京都に出かけるという。彼女の意見を聞いてみることにした。
「ねえねえ、どこがオススメ?」
たちまち何軒かのオススメ店を教えてくれた。何度も出向いている京都好きともなると、中華やイタリアンレストランも範疇に入るらしい。しかし、めったに行かない旅人は、どうしても京料理に憧れる。でもまあ、試しに予約をしてみるか。軽い気持でネットや電話で問い合わせてみたところ、人気店はどこも予約が取れないことを知る。週末でもなく花爛漫の季節でもなく、中国人インバウンドも減っているタイミングだというのに。さすが京都だ。
