(写真提供:Photo AC)
名脇役女優としてテレビや映画、舞台で活躍された一方、エッセイストとしても知られた沢村貞子さん。そんな沢村さんが1966~1983年の間、新聞の人生相談に寄せられるさまざまな悩みに回答した83篇をまとめた書籍が刊行されました。そこで今回は書籍『わたしの人生案内』より一部を抜粋し、人間関係や夫との不和に悩む昭和の女性たちに送った言葉をご紹介します。

悪意に満ちたハガキが届きました

相談

66歳になる一男四女の母。12年前、夫と死別。一昨年は一人息子(当時40歳)が幼い孫と嫁を残して病死してしまいました。

息子は東北大を卒業して中学校の教師をしておりました。

苦しい家計のなかでの教育でしたが、孫も生まれ、夫はいないが、これからは幸福な老後をと思っていただけに私のショックは大きく、知人から一ぺんに10年も年をとってしまったようだ、といわれる昨今です。息子に先立たれた当座は、夜中に外に出て、息子の名を呼びつづけたり、床のなかで泣き明かしたりの毎日でございました。