(撮影:本社・奥西義和)
ミュージシャン、司法書士などさまざまな職業を経て2010年に作家デビューした安田依央さん。2000年代から「終活」を伝える活動をしてきたという安田さんが、《おひとりさま》である自分の骨の行き先について考えてみたところ――。(構成:内山靖子 撮影:本社・奥西義和)

孤独死予備軍として

私が死んだ後、その骨はどこへ行くのだろう? そんな不安と疑問にかられ、自分自身の骨の行方を考察したWeb連載をまとめたのがこの本です。

2020年に事務所を畳むまで、司法書士としてさまざまな方の終活のお手伝いをしてきました。その自分が気づいたら還暦に。おまけにひとりっ子で、結婚もしておらず子どももいない。親戚づきあいもありませんので、間違いなく私は《孤独死予備軍》だと言えるでしょう。

若い頃から一匹狼だったため、ひとりで生きてひとりで死んでいく覚悟はしていました。でも死ぬことはできても、死後のことは自分でどうすることもできない。自動的に火葬場に移され、骨になってお墓に埋葬されるわけではありませんから。

ならば、生きているうちに、自分の骨の行き先まで考えておかねば――。それこそが、自分に必要な終活ではないかと考えたのです。

連載を始めて最初に感じたのは、法律が現実にまったく追いついていないということ。

以前は私のような独身の高齢女性は少数派でした。それが今や《おひとりさま》はもちろん、家族がいても疎遠になったり、さまざまな事情で頼れなかったりする方が増えています。

なのに葬儀や死後の弔いに関しては相変わらず、「家族ありき」が民法の前提。それでは、家族をあてにできない人はいったいどうすればいいのでしょうか。