まだ介護が必要な段階ではないけれど、一人暮らしは心配。《共生型》の住まいは、そんな不安を解消してくれるのか?リアルな暮らしぶりを見に行ってみた。(撮影:藤澤靖子)
ペットと暮らせる部屋が入居の決め手
川崎市多摩区の、自然豊かな環境にある230坪の広々とした土地に建つ木造2階建て。玄関横には大きく「グループリビング おでんせ中の島」(以下、おでんせ)と表示されている。「おでんせ」とは岩手の方言で「いらっしゃい」という意味だ。
建物内部は木がふんだんに使われ、壁は白漆喰。窓の外には広々とした家庭菜園を望める明るいリビングダイニング。センスの良いクッション、生け花や折り紙アート等、装飾品はほとんど住人やその関係者の手によるものだそう。
「簡単なものですけど」と、創設時からの住人で「おでんせ」理事長でもある小森祥子さん(91歳)がお手製のケーキと梅ジュースをふるまってくれた。誰かの自宅に遊びに来たような温かい雰囲気だ。
住人の外出・外泊は自由で、ルールはスタッフが提供する毎日の夕食、誕生会、月一度の居住者会議への参加のみ。約17畳の各個室はバス・トイレ・キッチンつき。入居金ナシ、夕食つきで月額16万円は破格だ。
「おでんせ」は地元で助産院を経営していた藤井康雄・よし江夫妻が前出の「せせらぎ」などを参考に2015年に立ち上げた。現在は70代から90代までの10人が暮らす。