『八つ墓村』場面写真(金田一耕助(尾上松也))
©2026「八つ墓村」製作委員会 ©Yokomizo Seishi/KADOKAWA
1989年に漫画家デビュー、その後、膠原病と闘いながら、作家・歌手・画家としても活動しているさかもと未明さんは、子どもの頃から大の映画好き。古今東西のさまざまな作品について、愛をこめて語りつくします!今回は9月18日から公開の『八つ墓村』です。(イラスト:筆者)

現代版「八つ墓村」

作家・横溝正史が生み出した「探偵・金田一耕助」というキャラクター誕生80周年ということで、あの『八つ墓村』を松竹が映画化。原作は、岡山県の山奥「八つ墓村」を舞台にしたミステリー小説。莫大な遺産を持つ名家・田治見家の相続人である、辰弥が村に帰ってきたことをきっかけに連続殺人が起こる。封じられていた戦国時代の怨念も絡んだ「探偵・金田一耕助」シリーズの1作だ。

今回は、歌舞伎役者の尾上松也が金田一耕助。ある日突然に田治見家の跡取りと言われ、事件に巻き込まれる井川辰弥役に若手イケメン・奥智哉。歴代の名優がその恐ろしさを競った田治見家の当主・田治見久弥と要蔵の2役に滝藤賢一。そして監督は『呪怨』の清水崇。これは期待せずにいられない!

イラスト提供:さかもと未明さん

『八つ墓村』は、これまで繰り返し映画化されてきた作品で、1977年公開の野村芳太郎監督版は名作。77年度版の金田一耕助は、『寅さん』シリーズの渥美清。寺田辰弥役はショーケンこと萩原健一。多治見久弥・要蔵役には山崎努(崎はたつさき)が扮した。洞窟内ロケが半端ないスケール感を生み、濃厚な人間ドラマが空前のヒット作となった。

その後も1996年に豊川悦司の金田一耕助、高橋和也の寺田辰弥で市川崑が映画化。すなわち日本の巨匠・名優たちがこぞって制作・出演してきた作品なのだ。それを新たに現代版として制作するとは、どれほどのプレッシャーだったろう。果たして2026年版は、前2作と全く違う面白さに満ちていた !