小林聡美さん
小林聡美さん
1979年、『3年B組金八先生』でデビューし、映画『転校生』のヒロインや『やっぱり猫が好き』の三女など、俳優として存在感を放ち続けてきた小林聡美さん。多くの著書を持ち、エッセイストとして活躍する一方、俳句愛好家としても知られています。2025年に還暦を迎えた小林さんが綴るのは、何気ない日々のなかで見つけた小さな発見や驚き。「どうってことのない一日にも、驚きと感動がいっぱい」と語ります。今回は、そんな愉快で新鮮な「映え映えの徒然」を綴ったエッセイ『むしろ映えてる日々』(毎日新聞出版)より、一部を抜粋してお届けします。

最初の免許は原付バイク

これまで取得した資格はただ二つ。原付バイクの免許と、車の運転免許のみだ。十六歳当時、原付バイクを運転する予定はなかったけれど、写真付き免許証を持っているというのがなんだか大人っぽくてカッコいい、とご満悦だった。

免許取得後初めて、友達のお兄さんの原付バイクを借りて近所の路地を走ってみると、スピードが全くコントロールできず、発進した直後、壁に激突してコケた。バイクも私も軽い擦り傷程度で済んだものの、バイクという暴れん坊との一体感は得られず、むしろ「こわい乗り物」という印象を植えつけられた。

生身の体で走るうえ、スピードのコントロールは手元だけ、というのが緊張する。だからか、今も電動アシスト付き自転車や、電動キックボードは(乗ったことないけど)ちょっとこわい。

その点では、車は鉄の鎧を着ているので安心だ。初めて運転する車が結構大きな車だったので、かえって慎重で安全運転だった。車に対するこだわりは特になかったけれど、人生のフェーズに対応しつつ、その後何回か車は変遷していった。