『風、薫る』場面写真 直美(上坂樹里)とりん(見上愛)
(『風、薫る』/(c)NHK)
まもなくクライマックスを迎える連続テレビ小説『風、薫る』。明治期に看護師という職業の確立に貢献した大関和と鈴木雅をモチーフにしたバディドラマ。主人公の一ノ瀬りんを見上愛さん(25)、大家直美を上坂樹里さん(21)が演じている。近代看護の黎明期、りんと直美の2人が、看護婦養成所で共に学び、患者や医師との向き合い方に悩み、ぶつかり合いながら成長する姿を描いてきた。原案は田中ひかるの『明治のナイチンゲール 大関和物語』(中央公論新社刊)。8月下旬にクランクアップした見上さんと上坂さんに作品への思いを聞いた。(取材・文・婦人公論.jp編集部)

「2人だからこそできた」

――『風、薫る』はりんと直美がダブル主人公のバディドラマでした。2025年9月にクランクイン。今年8月下旬にクランクアップを迎えました。クランクイン前の自分に何を伝えたいですか?

見上:「いっぱい頼れる人がいるから大丈夫だよ」と言ってあげたいです。クランクイン前には、これまで朝ドラのヒロインを演じられた方の話を伺っていたこともあって、過剰に「いろいろなものを背負わなくちゃ」という気持ちがありました。でも、撮影が始まってみたら、樹里ちゃんだけでなく、たくさんの人が支えてくださった。自分が不得意なことは、それが得意な別の誰かが補ってくれるので、一人で抱え込まずにいろいろな人の胸を借りる気持ちで飛び込んでいいんだよ、と教えたいです。

上坂:「死ぬ気で頑張れ」ですかね。

見上:同じものを背負っている樹里ちゃんが隣にいてくれたことは、1年間の撮影を走り抜ける上で本当にありがたかったです。バディものだったことで、血がつながっていない2人の主人公が同じ速度で成長でき、今までにない朝ドラになったと感じています。常に片方に何かあればもう片方が手を差し伸べる。1人では成長にも限界があるけれど、2人だからこそできた、前に進む力のあるあたたかいドラマになったと思っています。

上坂:直美もりんも同じ問題で悩む時もあれば、そうじゃない時もある。直美には産みの母の文(内田慈)さんを看取ったり、夫の吾郎(甲斐翔真)さんとの別れがあったりしましたが、そういう時にりんがいてくれました。自分の問題に寄り添ってくれる存在がいることがすごく大事だし、それによって、人生が豊かになると強く感じました。
クランクアップ後は家に1人でいる時間がすごく長くなったので、愛さんや隣に誰かいてくれることの大切さを改めて感じています。