(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
食欲の秋。季節を感じながら食べる食材が、私たちの食卓から消え始めているという事実をご存知でしょうか。「日々の食卓に並ぶ魚介類が日本近海で激減している。原因は二酸化炭素増加による水温上昇や海洋酸性化に加えて、違法、無規制に行われる乱獲・密漁だ」と語るのは福井県立大学名誉教授であり、水産学博士の矢野勲先生です。そこで今回は矢野先生の著書『日本の海から魚が消える-温暖化、IUUの問題から陸上養殖の挑戦まで』より一部を抜粋し、お届けします。

サメの乱獲

世界の海で、エイを襲って食べるサメがフカヒレや食肉確保のために50年ほど前から大量に漁獲されていて、多くの種が絶滅の危機にあることが報告されている。

2020年に、世界58ヵ国371ヵ所のサンゴ礁で餌が付いたリモート水中ビデオカメラを使ったサメの大規模な調査があった。

その結果、20%のサンゴ礁でサメを観察できなかったことが報告されている。

特に、東南アジア南方の海では、乱獲のためその数を大幅に減らしている。