厚生労働省が2025年に実施した「国民生活基礎調査」によると、介護する人・される人が共に75歳以上の割合は37.1%で、過去最高を更新したそうです。そのようななか、タレントの岡田美里さんは、15歳のときに家を出ていった母と、42年ぶりに同居生活をスタート。60代で、知識ゼロから親の介護に向き合うことになりました。今回は、岡田さんが7年間に及ぶ介護の日々を率直に綴った『今だから笑える 笑えない介護の話』より、一部を抜粋してお届けします。
決心がつかない日々
山梨の家は、娘たちが小さな頃にはよく通っていましたが、もう20年以上も放置したままだったのです。確かにあの家なら平屋建てだし、家賃もかからないとは思いましたが、そもそも母の介護をする決心がつきませんでした。
母の介護をするために山梨に移住すれば、娘たちやパートナーと遠く離れて暮らすことになってしまいます。
「アトリエミリミリ」のお教室も続けられなくなってしまうわけで、そこまでして母の介護をするなんて到底考えられないことでした。
だからといって他に打つ手もない。
誰かに相談したくても、姉や妹に山梨の家のことを相談すれば、私に母の介護をする気があるのだと受け取られてしまいそうだし、パートナーや娘たちに心配をかけるのも嫌でした。
そうしたことから、引っ越しの話はまだ自分の中に留めておこうと決めていました。
でも、こうしているあいだも母の病気は進行していく。時間的な猶予がない中、ひとりで大きな問題と対峙しなければならないと焦る自分もいたのです。