ゲストは演劇界の盟友、宮藤官九郎さんと古田新太さん。清水ミチコさんとのつきあいは長いものの、3人揃っての仕事は15年前に放送されたドラマ『タイガー&ドラゴン』だけ。おしゃべりが盛り上がるにつれ浮かび上がるのは、脚本家/役者としての性なのか、2人の持って生まれた不思議な力なのか――(撮影=大河内禎)
<前編よりつづく>
僕ら世代のささやかな楽しみ
宮藤 そもそも古田さん、ずっとケータイいじってる人の気持ちもわかんないですよね。
古田 うん、やったことないもん。
宮藤 最近はちょっとわからないことがあると、すぐ検索するじゃないですか。
古田 それ、飲み屋でやられたら、すぐ止めることにしてる。「待て、もうちょっとおいらを苦しめて!」って。「えーと、なんだっけ。ああ、ヒントちょうだい!」「ヒントはダメ」「うわー、思い出せない!」。
宮藤 それです。その正解が出てこない時間を、みんなで楽しんでたのに。
古田 居酒屋のバイトの子とか、苦しんでると勝手に調べて教えてくるんだよね。
宮藤 「あの映画、萩原流行出てたよね。タイトルなんだっけ」とか言ってるところに、萩原流行も知らない若いヤツが正解出してくると、僕はなんか腹立ってきますね(笑)。あと、なんの抵抗もなくエゴサーチして、それを公言する人も多くないですか。
清水 「恥ずかしさ」の基準が変わってきてるのかも。
宮藤 ラジオのCM中にエゴサーチして、それをわざわざ言うパーソナリティの人もいるし。
清水 エゴサーチしてることなんて、もっと隠せ!(笑)
古田 ひどいこと書かれたりするんでしょ。おいらは三茶の飲み屋に嫌われなければ、あとはなんでもいいんだけど。