101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活 のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「 簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがい っぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社) から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
<100歳の100の知恵 29>
『「タオルの模様替え」だけで気分は明るく変わる』
かつて梅雨のある日、デパートのタオル売り場を通りかかり、「そうだ、タオルの模様替えをしよう」と思いついたことがあります。
売り場に並んだパステルカラーの手拭きタオルを10枚ほど出してもらい、試しにいつも私がやっている通りの畳み方をしてみたら、ふっくらとした、明るい印象です。
これをうちの洗面所に置いたら、じめじめとした梅雨の季節も、洗面所の雰囲気がぐっと明るくなると思い、すぐに手拭きタオル10枚と、バスタオルを買いました。
ほんのわずかな模様替えでも、家のなかの雰囲気を変えてみると、気分も変わってうれしいものです。とくに高齢になって、くすんだ色に囲まれていると、なんとなくわびしい気分になります。
タオルなど小さなもので家のなかに明るい色を呼び込むと、ちょっぴり心が華やぎます。