血流アップと血流コントロール
血管の内壁(流れる血液に触れる面)は、「血管内皮細胞」という薄い細胞の層で覆われています。動脈にある血管内皮細胞から分泌される一酸化窒素という物質がNOです。
NOにはいくつもの働きがあります。まず、動脈を拡張させて血液の流れを良くし、血圧を下げる効果。次に、血管内の炎症を抑えて傷を修復、血栓ができるのを防ぐとともに、出血のリスクを低下することにも役立ちます。
最近の研究では、血管内皮細胞の衰えが動脈硬化の始まりと考えられており、NOをたっぷり分泌することで、これらの状態が改善されていくのです。
それでは、NO分泌を促すためのエクササイズをご紹介しましょう。血液が流れることで血管内皮細胞が刺激されてNOが分泌されるため、全身に血流が巡る有酸素運動や、血管を収縮させてから拡張させることで血流をコントロールする運動が効果的です。
まず、有酸素運動の「NOウォーキング」と「ゾンビ体操」。
筋肉を動かす際に「ブラジキニン」という物質が放出され、血管内皮細胞を活性化させてNOの分泌を促進します。
ウォーキングの時間がとれない人は、トイレに行くついでやテレビを観ながらなど、日常生活の中にゾンビ体操を取り入れてみてください。
次に、血管を収縮させてから拡張させる動きを取り入れた「ボート漕ぎ運動」と「1分間正座」。
拡張した血管を血液が一気に流れることで、血管内皮細胞がマッサージされ、その結果血流が良くなります。
さらに、体が温まる食材を積極的に摂取することや、ゆっくり入浴することも、血管を広げて血流を促進し、NOが全身の血管に巡るのでおすすめです。
NOをたっぷり出すことは難しいことではありません。簡単な生活習慣、ちょっとしたコツで血管力をアップすることができますので、あなたもぜひチャレンジしてみてください。