迷路のような地下鉄を抜け、ようやく辿り着けるアケダクト競馬場(写真提供:須田鷹雄さん)
競馬に関する著作を多く持ち、グリーンチャンネルやBS11の競馬番組、ペーパーオーナーゲームの”赤本”『POGの達人』でもおなじみの競馬評論家・須田鷹雄さん。約30年の評論家歴で訪れた競馬場はアジア、オーストラリア、中東、ヨーロッパ、アメリカなどで150近くにも及ぶそう。その中でも行きにくかった一つが、ニューヨークのアケダクト競馬場とのこと。地下鉄のややこしさに加え、治安の悪さがに辿りにくさに輪をかけていたそうで――。

ニューヨーク、アケダクト競馬場の思い出

アケダクト競馬場はニューヨークにある主要競馬場のひとつ。クイーンズ地区南部で、正直あまり治安はよろしくないエリアと言われている。

競馬場やカジノの中はもちろん安全だが、それ以外では若干ピリつく……若干じゃすまないかもしれないくらいの立地である。

一時期はこの競馬場がというか、ニューヨーク州の競馬自体が経営危機により廃止寸前までいったのだが、その後盛り返した。アケダクトについては、カジノを併設したことで施設そのものの稼働率や、金を生む力は増している。

なにしろニューヨークだから日本人観光客が行く機会も多そうなものだが、マンハッタンとは距離があるので、タクシーで行き来という感じではない。いまはカジノのシャトルバスも利用できそうだが、基本的には地下鉄で、ということになる。

『世界の中心で馬に賭ける-海外競馬放浪記』(著:須田鷹雄/中央公論新社)