(撮影◎中西正男)
TOKYO MX「5時に夢中!」などで人生経験に裏打ちされた言葉を発信している歌手・女優の中尾ミエさん(76)。先月には自らの来し方を綴ったエッセイ『76歳。今日も良日 年をとるほど楽しくなる70代の心得帖』を上梓しました。来年1月7日スタートの東海テレビ・フジテレビ系の連続ドラマ『三千円の使いかた』にも出演し、年齢などどこ吹く風と言わんばかりの動きですが、その歩みを支える心得とは。(取材・文・撮影◎中西正男)

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76歳になったからこそ思うこと

前々から「本を出しませんか」というお話をいただいたりはしてたんです。でもね、なんだろう、自分の意識としたら、わざわざ本にしていただくような人生なんて送ってないし(笑)、多分面白くないですよとお断りをしてたんですよ。

そもそも、人の人生にそこまで興味なんてある?という思いもあったし(笑)、重ね重ねその思いはお伝えはしてたんですけど、本当に熱心に言ってくださったので出させてもらうことになった。それが出版の経緯なんです。

でもね、これもタイミングだなと思います。今、76歳になったからこそ思うこともあるし、思えることもあるし。

私の生い立ちみたいなことを書いたところでアレだけど、私が今の年齢になったからこそ思うこと。そんなことを若い人にも知ってもらったり、さらに同年代の人に「だったら、自分も頑張ってみようか」と本当にありがたいことに思ってもらえたりしたら、まだ少しは本を出す意味があるのかなと思っています。