「書きながらつくづく実感したのは、人生100年時代を幸せに生きるために何よりも大切なのは《健康》だということ」(c)Mat Smith
2016年に、人生100年時代の新しい生き方を説いた『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』が全世界でベストセラーとなったリンダ・グラットンさん。翌年には62歳で結婚、夫とともに100歳までのライフプランを立て、話し合っているそうです。60代以降の毎日を充実させて生きる秘訣とは(構成:佐藤智恵)

無理せず健康を手に入れる

『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』の執筆は、私自身の人生を見直す大きなきっかけとなりました。

この本を書きながらつくづく実感したのは、人生100年時代を幸せに生きるために何よりも大切なのは「健康」だということ。それまで私は無我夢中で仕事と子育てを両立させてきましたが、そのぶん、自分の健康管理がおろそかになっていたことにふと気づいたのです。

いま私が日常的に実践している健康法をお伝えしましょうか。1つめが1日1万歩以上歩くこと。いま、ロンドンでは雪が降っていますが、私はこの後、市街地まで歩いて出かけるつもりです。加えて、週に1回は「ウォーキングデー」を設けて、家族や友人と自然の中を歩いています。時には電車に乗って郊外へ出かけ、一日中、歩くことも。

2つめが、週に2回ピラティス教室に通うこと。体幹を鍛え、柔軟性を維持するために続けています。ウォーキングとピラティスに落ち着くまでにさまざまな運動を試してきました。なかには途中でやめてしまったものも。

その1つがキックボクシング。早朝のレッスンがあまりにキツくて、もう耐えられない、と音を上げました(笑)。嫌ならやめて、できることをすればいいのではないかしら。

3つめが体にいい料理を食べること。なかでも和食はよくつくります。イギリスで有名な和食料理人が書いた本を買って、さまざまな和食に挑戦しているんです。新型コロナのロックダウン期間中は自宅で和食ばかりつくっていました。いま私の家の冷蔵庫には刺身と漬物が入っていますよ。(笑)