栄養価がもっとも高まる旬の食材を使って、缶詰は作られています。「食べ物の効能で不調を改善する」という中医学の観点から、缶詰を料理に取り入れるコツをご紹介します(構成◎上田恵子 イラスト◎斉藤ヨーコ 料理写真提供◎久保奈穂実)
食材の効能を上手に取り入れる
料理に缶詰を取り入れる際のポイントは、以下の3つです
1つ目は、水煮やオイル漬けの缶詰を使うこと。水煮缶は食材と塩、オイル漬け缶は食材と食用油と塩といったシンプルな原材料で作られているため、和洋中さまざまに応用でき、自分好みの味付けの邪魔をせず、取り入れやすいのでおすすめです。
2つ目に、食材の栄養分を余すところなく摂取するため、魚類の水煮缶はなるべく汁ごと使うこと。ただしオイル漬け缶は、油をすべて使うと油分過多になってしまいますので、油を切るなど調整してください。
そして3つ目は、自分の不調の改善に役立つ食材の缶詰を取り入れること。私が専門とする中医学のベースには、「食養生」という考え方があります。これは「すべての食べ物には、それぞれ体に働きかける効能があり、自分の体に合った食べ物を取り入れることで不調を改善できる」というもの。約2000年前の中国で、不老不死を望む皇帝のために、「食医」と呼ばれる医師が日々の食事を管理しながら未病の段階で体調を整えていたことが始まりです。