コンビニを舞台に、柄シャツにオールバックの強面の人が突然ラップを始める、ACジャパンCMが話題になりました。「たたくより、たたえ合おう。」でおなじみのこのCMに出演するラッパーこそ、ラップ界隈では、幾度となく優勝を重ねるキングとして知られる呂布カルマさん。破竹の勢いでメディアを席巻しているラッパーの独自の人生哲学とは。呂布さんいわく「最初の会社はクビになった」そうで――。
プロの漫画家を目指した
大学を卒業し、フリーターで生計を立てながらプロの漫画家を目指して本格的に執筆を始めた。
幼い頃からそう宣言していたのもあって、両親とも僕が漫画家を目指すことに特に反対したりはしなかった。
しかし、いざ本格的に漫画を描き始めると、すぐに飽きてしまった。
同時期、ラップも並行して始めており、ラップなら自分の書いたものをすぐに表現できて、ステージに立てばダイレクトに反応を得られることを知ってしまった僕は、ひとりで机に向かって淡々と漫画を描く作業に退屈を感じてしまった。
しかも、描いた漫画がすぐに雑誌に載り、単行本になるわけではない。
持ち込みをして、出版社に認めてもらい、連載を獲得する必要がある。
連載を獲得するだけでも大変なのに、連載を獲得したらそこで終わりではなく、日々迫りくる〆切に追われながら淡々と漫画を描き続けなければならない。
その地道な作業を想像して「これは無理だな」と見切りをつけた。