「第二次世界大戦後の現代史は歴史的価値が定まっていないことが多いためか、学校で学ぶ機会が少ない」と話すのがジャーナリストの池上彰さん。その池上さん「平成のバブル崩壊後、日本経済は長期にわたって低迷を続けることになりました」と言っていて――。政治、経済、外交、安全保障、エネルギー……。授業では教えてくれない現代史を池上さんが解説します。
なぜバブルは弾けたのか?
景気の過熱ぶりを放置できなくなった日本銀行は、公定歩合の引き上げの検討に入りました。銀行の貸出金利を引き上げ、資金を借りにくくすることで沈静化を図ろうとしたのです。
しかし、1987年10月19日、アメリカで株価が急落しました。「ブラック・マンデー」と呼ばれる金融危機です。
投資家たちも日本やドイツの景気の過熱を警戒し、いずれ金利が引き上げられると予測していました。日本やドイツが金利を上げれば、アメリカの資金が流出し、アメリカの株価が下がるだろう。
そう考えた投資家たちが株を売りに走ったため、本当に暴落してしまったのです。